最新の資料に基づく最新の歴史を学ぶなら「集英社」
歴史の解釈は、時代と共に変遷します。
新たな資料が発掘されたり、学説の見解が変わることもあります。
教科書の記載内容も年々変化しています。
最新の資料に基づき、最新の学習指導要綱に基づく内容となっているのは「集英社」です。2010年に全面改訂版が発売され、まさに新鮮な歴史の情報が詰まっています。
一方、小学館はといえば基本は1981年に作られた当初のまま。増補という形で補ってはいるもの、最新の歴史解釈に基づいているわけではないようです。
たとえば、集英社は2008年の学習指導要綱の変更にも対応しています。
2008年の学習指導要綱では、小学6年生での社会科の内容として
・「狩猟・採集時代の生活(小6)」
狩猟・採集や農耕の生活、古墳について調べ、大和朝廷による国土の統一の様子が分かるこ と。
その際、神話・伝承を調べ、国の形成に関する考え方などに関心をもつこと。
という項目が追加されました。
これを受けて集英社では2010年の全面改定版より、それまで第1巻だけで取り上げていた縄文時代・弥生時代を2巻に増やし、第1巻で旧石器時代~縄文時代を、第2巻で弥生時代~古墳時代(前半)という具合に、この時代のボリュームをアップしたのです。
実際読んでみると、小学館では1巻後半で卑弥呼の登場になり、縄文時代・弥生時代の生活の様子までは具体的に描かれていません。学習指導要綱で新たに追加された点が抜けているというのは、マイナスポイントと言わざるを得ません。
今から子供に与える「日本の歴史」としては、現行の学習指導要綱に沿って作られた2010年の全面改定版である集英社が一歩リード、です。
綿密な時代考証で群を抜いた完成度「小学館」
綿密な時代考証をふまえ、主人公だけでなく背景まで高レベルの完成度と言われるのは「小学館」の学習まんが「少年少女日本の歴史」シリーズです。
小学館の学習漫画「少年少女日本の歴史」シリーズは、1980年代に小学館の記念事業として教育出版社としての威信をかけて、時間と労力とお金をつぎ込んで制作されたシリーズ。当時の制作にかける情熱は半端ないものだったと伝えられ、当時の最新学説も意欲的に取り入れながら徹底した時代考証を加え、大学受験にも対応できるほどの高レベルの内容が詰め込まれています。
他社の漫画「日本の歴史」シリーズと比べても、群を抜いた完成度の高さで「決定版」的評価を受けており、発売以降四半世紀を過ぎた今なお、ほぼ初版当時のままの内容で刊行され続けている、モンスターのような学習まんが「日本の歴史」シリーズなのです。
時代考証の深さと綿密さ、資料的価値の高さとしては小学館が一歩リード、です。